ルフィに見る仲間力
仲間力という言葉があるのかないのか解らないが、
「ルフィの仲間力」という本があったので読んでみた。
著者は、安田雪(やすだゆき)という
関西大学社会学部教授で、
人や組織のつながりかたを考察する「社会ネットワーク分析」が専門の方だ。
漫画、ワンピースは、何故、これ程まで売れているのか?
そして、ルフィを中心とした仲間というのは、どんな人間関係をいうのか?
という事を、社会学の立場で書いた本で、とてもオモシロかった。
この本の中では、ルフィーが率いる海賊団を組織論的に
色々な角度で語られているのだが、冒頭の1章で、
社会背景として、ドラゴンボールと比較して、仲間というのを
下記の様に分析していた。
<ここから>==================
ドラゴンボールの読者世代は、家族のしがらみが残っていた最後の世代です。
ところが、ワンピースの世代になると、家族は大事であっても、
共に行動する集合体ではなくなりました。
家族内にとどまるのではなく、家族から飛び出して、
自分の夢をかなえることがメインストーリーになっています。
(中略)
つまり、行動の単位が、
家族という集合体から、仲間という集合体に変わった
と言うことができます。
<ここまで>==================
今まで、家族という集合体が、社会の中の最小限のコミュニティとして存在していて、
それが確固たるものであり、なおかつ、それが原点であったのが、
ワンピース世代になると「家族」から「仲間」というものに変わったということ。
つまり、固い絆で結ばれている集合体が、「家族」から「仲間」というものに移行している
部分が社会的に、あるということがあると思ったりする。
ワンピースのように、海賊王になると言っているルフィーを、
その仲間達は、でっかい夢をみんなで追っかけている。
それが、仲間の定義となっているが、今の社会背景としては、
それだけではない気がする。
例えば、
サッカー日本代表が、ワールドカップ出場をかけて、
戦っている様子は、擬似的にも日本人全体に仲間意識を持たしている
という事もいえるのかも知れない。
つまり、戦う相手があれば、昔よりも、仲間意識が強く持てるのじゃないかと。
そして、女子会に代表される。
30代独身女子の仲間意識。
これも、一種の仲間意識。
自分達が家族を作らなくても、
この仲間がいれば、人生楽しくやっていけると
思っている節がある人も沢山いる。。。。
世の中は、「家族」という単位より「仲間」という単位に、
心地よい場所が移行して行っていると思った方が良いのかもしれないと、
この本を読んでの感想だ。
ワンピースにみる仲間意識。
サッカー日本代表を一緒に応援する仲間意識
30代独身女子が、結婚よりも女子会を楽しむ仲間意識
これらの延長線上、もしくは、その変化を捕らえると、
どんなビジネスチャンスがあるのか?
そんな事を、ふと意識させてもらえる本であった。
- 2011.09.26 Monday
- LifeHack-書籍
- 13:37
- -
- -
- by mark403