現代を生きる道徳を説く「新しい道徳」


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「新しい道徳」っていう本を読んだ。作者は、東京大学からリクルートへ、それから公立の中学校の校長先生になったという異色の職歴を持つ藤原和博氏。

この本では、学校教育をはじめ、様々な道徳問題を藤原氏の視点で解いていっている。例えばいじめ問題。

いじめ問題は、レベルにわけて3段階であると説く。
まず、レベル1は、子供達がじゃれているレベル(大人の関与はいらない)。むしろこれらの事によって友達同士でリーダーができたりする。これを「いじめ」。

レベル3は、金と暴力に関わるもの。これは、いじめではなく、恐喝であり、暴力なので、即警察へ通報。これは「虐め」である。

問題は、このレベル1とレベル3の間にあるレベル2の部分。
自然に解決する時と刑事事件になっていく時と2通りができる。従って、イジメ位か、と…。

また、これらのいじめ問題は、昔はあったが、今はなくなっているななめの支えがないのが原因と説く。では、一体、ななめとは何か?
友達との付き合いを横の付き合い、先生や親とのつきあいを縦の付き合いとすると、今の子供達は、これら、横のつきあいと縦の付き合いしかない。では、ななめの付き合いって何かというと、近所のオジサンだったり、隣のおばあちゃんだったりする。

つまり、親にはテストの点数が悪くて、怒られて、友達には、いじめにあっても、銭湯で出会う、優しいオジサンとかが、
「坊主、どうした?何かあったかい??」とか、話を聞いてくれたものだ…。と。

そう言われれば、僕が少年だった昭和の時代は、そうだった気がする。今の社会、学校教育においても、ななめの付き合いっていうのは大切なのだと思う。

そして、もしかしたら、昨今の昭和ブーム…。これら、ななめの人間関係への憧れの部分もあるのかも知れないと、ふと、思えた。そんな事を気づかせてくれる一冊であった。

新しい道徳 (ちくまプリマー新書)
新しい道徳 (ちくまプリマー新書)
藤原 和博








  • 2008.12.23 Tuesday
  • LifeHack-書籍
  • 12:05
  • -
  • -
  • by mark403

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